数年前までボランティアをしていました。
そのボランティアは視覚障碍者の方々のために目の代わりになって図書を読むというのが主な仕事でした。
ボランティアと言っても簡単な仕事ではなく、きちんと朗読の勉強をしてからでないと正式に仕事ができません。
方言などは正しい標準語に直して読まなくてはならないので地方の出身の人にはなかなか難しいボランティアです。
そのほか鼻濁音なども地方によっては知らないことなのでお勉強してきちんときれいな日本語で読めるようにします。
私も苦労をした方ですが、それでも先輩たちについて、けっこう頑張ってボランティアをしました。
十年ほど続けたのですが、自宅で介護をしなくてはならなくなって残念ながらボランティアに時間をかけられなくなって辞めました。
その後もボランティア仲間とたまに連絡を取ったりしていたのですが、先日突然その中のひとりが亡くなりました。
癌だったということでしたが、自宅でご主人が最後までお世話をされたそうです。
私も自宅で介護をした経験があったので、どんなにたいへんなことかよくわかります。
こどもさんのいないご夫婦だったので仲の良いご夫婦でしたが、最後までふたりで闘病されて命を全うされたと聞いて彼女らしいと感動しました。
お通夜には久しぶりにボランティアの仲間が駆けつけて、いろいろな思い出話をしました。
葬儀会場は駅からも近くてほとんどの人は電車で来ていましたが、私は夫が運転して行ってあげると言ってくれたので直接会場の駐車場に行くことができたのでほとんど歩くことなく会場に入れました。
とても暑い日でしたが、会場内はエアコンが効いていました。
優しいピンクの花がたくさんの祭壇にお線香の香りがゆれて、お坊さんのお話もとても感動するものでした。
ボランティアで知り合ったお友達でしたが、最後にボランティア仲間を集めて久しぶりに話せる機会を与えてくれたように思えていっそう涙があふれました。
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